2025.06.16

外国人労働者の受け入れについて徹底解説。メリットデメリット・注意点なども紹介!【後半】

外国人労働者の受け入れについて徹底解説。メリットデメリット・注意点なども紹介!【後半】

前半では外国人労働者の受け入れに関する基礎知識や、外国人労働者が日本で働く理由について解説しました。
後半では、外国人労働者の受け入れの具体的なメリット・デメリット、スムーズな受け入れを実現するためのポイントをご紹介します。
外国人労働者の住環境を整えるために役立つ社宅代行サービスについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

外国人労働者受け入れのメリット

人手不足を解消できる

少子高齢化が進む日本では、多くの産業で深刻な人手不足が課題となっています。

特に、介護、建設、農業といった分野では、労働人口の減少が顕著であり、事業の継続や成長に支障をきたすケースも少なくありません。

外国人労働者の受け入れは、このような人手不足を解消する有効な手段となります。

意欲と能力のある外国人材を活用することで、国内の人材だけでは充足できなかった労働力を確保し、生産性の維持や業務効率の改善に繋げることが期待できます。

また、外国人労働者の採用は、一時的な人員補充だけでなく、長期的な視点での人材確保にも繋がり、企業の持続的な成長を支える力となるでしょう。

訪日外国人への対応力が高まる

増加する訪日外国人観光客への対応力強化は、企業の競争力向上に直結します。

日本政府観光局(JNTO)の発表によれば、2025年3月の訪日外国人旅行者数(推計値)は349万7,600人となり、前年同月比で13.5%の増加を記録しました。この数字は、従来の3月最多記録だった2024年の308万1,781人を大きく上回り、月間過去最多を更新しました。また、2025年1月から3月の累計は1,053万7,300人に達し、年間1,000万人突破のペースとしては過去最速となっています。

宿泊業や飲食業では多言語対応が不可欠になっており、外国人労働者を雇用することで言語の壁を越えた質の高いサービスを提供することができます。

海外進出やグローバル化のきっかけとなり得る

グローバル市場での競争が激化する現代において、外国人労働者の受け入れは企業の海外展開を後押しします。

海外市場のニーズを的確に捉えるためには、現地出身の視点が重要なポイントです。

例えば、外国人労働者が持っている母国とのビジネスネットワークや言語スキルは、輸出入業務や現地市場への参入を強力にサポートします。

彼らの知識や経験を活かすことで、新たなビジネスチャンスの開拓やグローバル競争力の強化が期待できます。

新しいアイディアが創出される

多様なバックグラウンドを持つ外国人労働者は、組織に新たな視点と発想をもたらし、イノベーションの源泉となる可能性があります。

異なる文化や価値観を持つ人材が協働することで、従来の慣習にとらわれない斬新なアイディアが生まれやすくなるのです。

例えば、外国人労働者の視点が既存の製品やサービスに新たな価値を与えたり、業務プロセスの改善に繋がったりする事例も少なくありません。

企業は彼らの意見を積極的に取り入れ、創造性を刺激する職場環境を整備することで、組織全体の活性化を図ることができます。

助成金の利用ができる

外国人労働者の受け入れを検討する企業にとって、助成金の活用は大きなメリットとなります。

政府や自治体は特定技能や技能実習制度を活用する企業に対し、採用費、研修費、住居費などの一部を補助する様々な支援策を提供しています。

これらの助成金を活用することで、中小企業でも比較的少ない負担で外国人材の採用が可能となり、人手不足の解消を促進できます。

 詳細な情報は厚生労働省や出入国在留管理庁の公式サイトで確認し、積極的に活用していきましょう。

外国人労働者受け入れのデメリット

コミュニケーションが円滑に進まないことがある

外国人労働者を受け入れる際、言語の壁は大きな課題となる可能性があります。

日本語能力は採用の重要な基準となりますが、ネイティブレベルではない場合、業務上の指示や意思疎通に時間がかかったり、誤解が生じたりすることがあります。

特に専門用語や抽象的な表現は理解が難しく、業務の遅延やミスの原因となることも考えられます。

共通言語としての英語力も重要になりますが、すべての従業員が高い英語力を有しているとは限りません。

円滑なコミュニケーションのためには、丁寧な言葉遣いを心がける、図やイラストを活用する、多言語対応の翻訳ツールを導入するなどの対策が必要となります。

また、定期的な日本語教育やコミュニケーション研修を実施することも、相互理解を深める上で有効です。

文化や習慣の違いによりトラブルが起こる場合もある

水色の文化とピンク色の文化が天秤にかけられており、顎に手をかけて悩む木製の人形

異なる文化や習慣を持つ外国人労働者との協働は、予期せぬトラブルを引き起こす可能性があります。

仕事の進め方、時間感覚、上下関係の捉え方など、文化によって異なる価値観を持つため、日本での当たり前が外国人労働者にとっては理解しがたい、あるいは不快に感じることがあるかもしれません。

例えば残業に対する考え方、休憩時間の過ごし方、報連相のタイミングなど、些細なことでも誤解が生じ、人間関係の摩擦に繋がる可能性があります。

このようなトラブルを防ぐためには、事前に外国人労働者に対して日本の文化や職場の習慣について丁寧に説明する機会を設けることが重要です。

また、日本人従業員に対しても異文化理解研修を実施し、多様な価値観を受け入れる意識を醸成することが求められます。

万が一トラブルが発生した場合には、双方の意見を丁寧に聞き、客観的な視点で解決に導くことが大切です。

外国労働者ならではの煩雑な手続きがある

外国人労働者を受け入れるためには、在留資格の確認や申請、更新といった入国管理局への手続きが発生します。

これらの手続きは、書類の準備や申請期間など、専門的な知識と時間を要するものが多く、企業の人事担当者にとって大きな負担となることがあります。

また、労働関連法規についても、外国人労働者特有の規定が存在する場合があり、適切な労務管理を行うためには、これらの法律を正確に理解しておく必要があります。

社会保険や税金の手続きも、日本人とは異なる点があるため注意が必要です。

これらの煩雑な手続きをスムーズに進めるためには、専門の行政書士や社会保険労務士のサポートを得ることも有効な手段となります。

必要に応じて政府や関連機関が提供する情報を確認し、相談窓口を活用しましょう。

外国人労働者受け入れの際の注意点

外国人労働者の受け入れは、多くのメリットがある一方で、企業が注意すべき点もいくつか存在します。

ここでは、外国人労働者を受け入れる際に企業が特に注意すべき3つの重要なポイントについて解説します。

労働に関する法規制の遵守、在留資格と業務内容の適合性の確認、そして日本での生活をサポートするための企業の役割について理解を深め、外国人材が安心して活躍できる環境づくりを目指しましょう。

労働が認められた在留資格をきちんと確認しよう

外国人労働者を受け入れる上で最も重要な注意点の一つが、日本で働くことが法的に認められた在留資格を有しているかどうかを採用前に必ず確認することです。

外国人の在留資格は多岐にわたり、資格の種類によって就労の可否や可能な業務範囲が厳格に定められています。

就労が認められていない在留資格の外国人を雇用した場合、不法就労助長罪に問われる可能性があり、罰則を受けることになります。

そのため、採用時には在留カードの提示を求め、記載されている在留資格、在留期間、就労制限の有無などを慎重に確認する必要があります。

出入国在留管理庁のウェブサイトや相談窓口を活用し、確認を怠らないようにしましょう。

在留資格に合った仕事内容であるかも必ず確認が必要

外国人労働者の在留資格を確認するだけでなく、その在留資格で認められている活動範囲と、実際に従事させる業務内容が合致しているかどうかも、必ず確認する必要があります。

たとえ就労が認められている在留資格であっても、その資格の種類によって許可されている業務範囲は限定的です。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ外国人を単純作業に従事させたり、「特定技能」の在留資格を持つ外国人を許可されていない分野の業務に従事させたりすることは、資格外活動となり、入管法違反に該当する可能性があります。

企業は、採用しようとする外国人の在留資格の内容を正確に理解し、従事させる業務内容がその資格の範囲内であることを確認する責任があります。

受け入れ企業は生活面のサポートも行おう

荷物やPCを両手いっぱいに持ち、大変そうなスーツ姿の外国人男性

外国人労働者が日本で安心して働くためには、受け入れ企業による生活面のサポートも非常に重要です。

異文化の中で生活し、働くことは、外国人労働者にとって様々な困難を伴う場合があります。

言語の壁、習慣の違い、住居の手配、医療機関の受診、行政手続きなど、慣れないことばかりで不安を感じることも少なくありません。

企業が積極的にこれらの生活面をサポートすることで、外国人労働者は安心して業務に集中でき、早期の戦力化や定着に繋がります。

具体的には、住居の紹介や契約の支援、日本語学習の機会提供、生活オリエンテーションの実施、相談窓口の設置などが考えられます。

外国人労働者が日本での生活にスムーズに適応できるよう、きめ細やかなサポート体制を構築することが、受け入れ企業の重要な役割と言えるでしょう。

参考記事:外国人が賃貸を借りるのが難しい理由とは?対策ポイントなどを詳しく解説

外国人労働者受け入れの課題

外国人労働者の受け入れは多くのメリットをもたらす一方で、いくつかの課題も存在します。

ここでは、外国人労働者を受け入れる際に生じうる差別問題、賃金水準の設定、労働環境の整備、そして受け入れ企業が抱える負担という主要な課題について解説します。

差別問題

言語、文化、国籍、人種などを理由とした不当な扱いや偏見は、外国人労働者の尊厳を傷つけ、モチベーションの低下や離職に繋がる可能性があります。

企業は、外国人労働者を含むすべての従業員が平等に扱われるべきであるという意識を徹底し、差別を許さない明確な方針を示す必要があります。

研修や啓発活動を通じて、従業員の意識改革を促し、多様性を尊重する企業文化を醸成することが重要です。

また、差別的な行為が発生した場合には、迅速かつ適切に対応するための相談窓口や通報システムを整備することも求められます。

賃金水準

同一労働同一賃金の原則に基づき、外国人労働者に対しても日本人労働者と同一の職務内容であれば、同等の賃金を支払う必要があります。

不当に低い賃金で雇用することは、外国人労働者の生活を困窮させるだけでなく、労働意欲の低下や不満に繋がり、結果的に企業の生産性にも悪影響を及ぼします。

また、最低賃金法などの労働関連法規を遵守することも必須です。

外国人労働者の技能や経験、職務内容を正当に評価し、適正な賃金水準を設定しましょう。

労働環境

長時間労働やハラスメント、安全配慮の不足など、劣悪な労働環境は、外国人労働者の心身の健康を害し、離職の原因となります。

言葉の壁や文化の違いから、日本人労働者とのコミュニケーション不足が生じ、孤立感を抱える外国人労働者も少なくありません。

企業は労働時間管理を徹底し、安全で衛生的な職場環境を提供することはもちろん、外国人労働者が安心して働けるよう相談しやすい体制を整えることが重要です。

定期的な面談などを通じて、コミュニケーションを図ることも心がけましょう。

多言語対応のサポート体制や、文化的な背景に配慮した職場づくりも、外国人労働者の定着を促進する上で有効です。

受け入れ企業の負担

外国人労働者を受け入れる際には、企業にとって様々な負担が生じます。

採用活動においては、言語や文化の違いから、日本人採用とは異なるノウハウやコストが必要となる場合があります。

入国管理局への申請手続きや、外国人労働者特有の労務管理、住居の確保、生活支援など、新たな業務が発生し、人事担当者の負担が増加する可能性があります。

言語教育や異文化理解研修の実施、多言語対応の書類作成など、追加のコストが発生することも考慮しなければなりません。

これらの負担を軽減するためには、専門機関のサポートを受けたり、政府や自治体の提供する助成金制度を活用したりすることが有効です。

また、社内全体で外国人労働者の受け入れ体制を整備し、一部の担当者に負担が集中しないようにしましょう。

外国人労働者を受け入れる手順

外国人労働者を受け入れる手順は、まず自社のニーズを明確化し、必要なスキルや経験を持つ人材の要件を定義することから始まります。

次に、適切な在留資格(例:特定技能)を確認し、国内外で募集・採用します。採用時には在留資格、日本語能力(例:JLPT N4以上)、スキルを慎重に確認することが重要です。

採用内定後、在留資格認定証明書の交付申請や査証取得などの手続きを企業または本人が行います。

入国後は、オリエンテーションや研修を実施し、住居手配や日本語学習支援で生活適応をサポートします。

受け入れ後も定期的な面談や労務管理を通じて、外国人労働者が安心して活躍できる環境を整備することが求められます。

社宅代行サービスを利用して外国人労働者の住環境を整えよう

外国人労働者を受け入れる企業にとって住環境の整備は大きな課題です。

しかし、異文化を持つ外国人労働者にとって快適な住まいを見つけ、契約、管理を行うことは、企業にとって大きな負担となりがちです。言語の壁、文化的な違い、法規制の理解など、その管理業務は多岐にわたります。

そこで頼りになるのが、社宅代行サービスの「三優エステート」です。

三優エステートは外国人材の社宅対応に強く、煩雑な業務を一括で代行。企業はタスク・コスト・リスクを大幅に削減できます。

住居探しから契約、入居後のサポートまでを専門業者が代行することで、企業は本来の業務に集中でき、外国人労働者も安心して日本での生活をスタートできます。

三優エステートは、外国人労働者の受け入れを成功に導く、心強いパートナーです。

まとめ

外国人労働者の受け入れは、人手不足の解消や企業のグローバル化に貢献する一方で、住居の確保を含む生活環境の整備が重要です。

社宅代行サービスなどを活用し、彼らが安心して日本で生活し、能力を最大限に発揮できる環境を整えることが、受け入れ成功の鍵となります。

本記事で解説したメリット、デメリット、注意点、受け入れ手順を踏まえ、外国人労働者と企業の共生関係を築くことで、持続的な成長と日本社会の発展に繋げましょう。

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