2025.05.01

社宅管理規程を作成するポイントを詳しく解説

社宅管理規程を作成するポイントを詳しく解説

社宅制度の導入にあたって、社宅規程を作成すべきか、作成する場合はどんな内容にすれば良いのか迷っている担当者の方も多いのではないでしょうか?

この記事では、社宅制度の導入・スムーズな運用・管理に必要不可欠である社宅規程について解説。作成時の注意点や含めるべき内容について詳しく紹介します。トラブル回避のためにも、是非ご一読ください。

社宅制度は企業にも従業員にもメリットが大きい

まずは社宅制度を整備する意味について確認しましょう。

社宅制度とは、福利厚生の一環として企業から従業員へ住宅を貸与する制度です。一般的に、周辺の賃貸物件よりも安い家賃で提供されることが多く、従業員が最もメリットを実感できる福利厚生のひとつとして注目されています。

また、従業満足度が高まり業務の生産性があがる他、人材採用の観点からは競合他社との差別化になったり、節税対策になったりと、企業にとって導入メリットの大きい制度であるとも言えます。

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社宅の種類や社宅を準備するステップなど社宅に関する基礎知識に関しては、こちらの記事も参考にしてみてください。

参考記事:「社宅」とは?社宅制度の基礎知識・企業が導入する目的を詳しく解説

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社宅制度導入時には社宅規程を作成しよう

社宅制度の導入準備の一つに、社宅管理規程(社宅運用上のルール)の作成があります。この規程制定によりトラブルを防ぎ、従業員の入退去の手続きがスムーズに行えると言われています。詳細を解説していきましょう。

社宅規程とは

社宅規程とは、企業が社宅を運用・管理する上で基準となるルールです。 社宅に入居できる従業員の選定基準や使用料、入退去時の手続き(詳細は後述)、さらに規程に違反した場合の対処方法などが事細かに記されています。

社宅規程が必要な理由

社宅制度が全従業員に適用される場合は、社宅規程が就業規則と同等の扱いとなります。従業員が10名を超える企業は、就業規則の作成と労働基準監督署長への届け出が義務づけられているため、社宅規程の作成・届出も合わせて必須になります。

したがって、社宅制度の導入を検討する際は、運用開始までに社宅規程を作成し終えていることが必要です。所属する従業員が10名以下の場合も、今後の増員を視野に入れている場合は、早めに準備をしておいて損はありません。

社宅規程を作成する際の注意点

社宅規程を作成するにあたり、以下のような点に注意が必要です。

不公平感を持たれないように配慮する

入居条件や費用負担のルールは、どの従業員から見ても納得できる内容であることが必要です。例えば、

 ・勤続年数(入社●年まで/入社●年経過の従業員を対象、など)

 ・年齢(●歳まで、●歳以上の従業員を対象、など)

 ・未既婚(独身者対象など)

 ・勤務地と居住地の距離(半径●km以上、など)

というように、合理的かつ、明確に判断ができる規程がないと従業員からのクレームにつながります。

情報の誤りや抜け漏れがないかしっかりとチェックする

社宅規程に誤った情報が記載されていないか、当然のことではありますが入念にチェックをしましょう。たとえ小さな誤植であったとしても、それが賃料や入居条件などに関わる場合、大きなトラブルに発展する可能性があります。

担当者が1人しかいない場合も、何らかの形でダブルチェックを必ず行い、誤字脱字や誤りがないことを確認した上で、従業員へ周知してください。

社宅規程に明記すべき内容

ルールのブロック

ここからは、社宅規程に盛り込むべき内容を具体的に解説していきます。

入居の条件

「独身者のみ」「通勤可能な範囲に居住していない場合」など、入居できる条件を示します。同居できる人物(例:親・子供まで)や、入居希望者が多い場合の選定方法なども記載しましょう。

家賃の負担額

家賃の何割を従業員が負担するかを明記します。またその賃料が給与から天引きされる旨や、月の途中から入居した場合の対応(例:日割り計算で請求)についても記載が必要です。

各費用の負担する範囲

住居に関する家賃以外の費用について記載します。敷金・礼金、火災保険料、水道・光熱費、町内会費、駐車場使用料、退去費などは誰が負担するか定めておくと安心でしょう。

間取りの制限

借り上げ社宅の場合は、契約する住居の間取り制限も明記しましょう。家族構成によって必要な部屋数や広さは異なるため、ルール化しておくと候補物件探しがスムーズになります。ただし、常識を逸脱した条件設定は従業員満足度を下げることになるので注意が必要です。

入居可能な期間

入居期間に制限がある場合は、必ず記載が必要です。また、入居期間を明確に管理するため、入居時の引越し日を報告することを義務付けるなど、あやふやにならないような創意工夫も大切です。

退去時の手続き

退去申請から退去までの最低期間、退去の申請方法、立ち会いの有無、退去費用の詳細などを記載します。

禁止事項

第三者への転貸、居住以外の目的での使用、増改築など、禁止する事項を列挙します。

責任の範囲

トラブル発生時の責任の所在を明確にするための項目です。特に退去時の原状回復義務は揉めやすいため、責任範囲を明らかにしておくと良いでしょう。

規程違反があった時の対処

各規程が細かく定められても、違反時の対処がないとルール遵守が徹底できなくなる可能性があります。重大な規程違反があった場合は、企業が立ち退きを命じることができ、その立ち退き費用や引越し費用は、当該者の負担となる、という趣旨の内容を定めておくと効果的です。

社宅規程を変更する場合の注意点

社宅規程を作成した時だけでなく、内容を変更する際にも注意点があります。下記を参照し、トラブルにつながらないようにしましょう。

労働基準監督署への届出

社宅規程を労働基準監督署へ提出している企業は、変更が生じた場合、その内容を同署へ報告する義務があります。忘れずに届け出ましょう。

従業員の了承を得る

社宅規程を変更する時は、事前に従業員へ周知し了承を得ることが大切です。また、決定事項としてではなく、質疑応答や反対意見を受け入れる姿勢をみせる形が望ましいでしょう。もし、従業員の納得を得ずに変更すると、不満を募らせるきっかけになってしまいます。従業員満足度を高めるための福利厚生が、かえって逆効果にならないよう、注意しましょう。

社宅代行サービスを利用して社宅規程を整えよう

社宅制度の導入をこれから検討する場合は、規程作成をプロに依頼することも得策です。

社宅運用のエキスパート「三優エステート」は、企業にとって最適な規定作りの経験が豊富なだけでなく、その規程に則った社宅運用を数多く手がけているため、クライアント企業の文化や実情に沿ったアドバイジングが可能な代行業者です。

前述の通り、規程に誤りや抜け漏れがないかというチェックの際も、社宅運用の知見がない場合は、何が抜けているのか気づかないことがも多いもの。トラブルを未然に防ぐためにも、社宅代行業者の活用はおすすめです。

まとめ

社宅規程の作成は企業側のリスクヘッジという側面も大きいですが、「従業員満足度を高め、業務の生産性を向上させるための社宅制度」と位置付けるならば、入居側のニーズを細やかに汲み取った内容であることも重要です。

社宅運用代行サービスを活用して規程を作る場合も、従業員満足度を高めるという視点が抜け落ちてしまうと、制度導入の目的がぼやけてしまう可能性が高いため、業者選びも慎重に行った方が良いでしょう。

三優エステートは、企業側だけでなく従業員の立場からも魅力的な社宅制度の実現を数多くサポートしています。戦略的に社宅運用導入を検討している場合は、ぜひ一度相談してみてください。

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