2025.01.15

外国人が賃貸を借りるのが難しい理由とは?対策ポイントなどを詳しく解説

外国人が賃貸を借りるのが難しい理由とは?対策ポイントなどを詳しく解説

外国人にとって日本の生活で大変なことのひとつに、賃貸物件を借りることがあげられます。
言語や文化の違いから、外国人の入居を断る物件も多く、外国人は家探しが困難と言われています。
また、日本の賃貸制度は他国の賃貸制度と異なる点も多く、入居後うまく適応できずに戸惑う外国人も多いのです。
そこでこの記事では、外国人が賃貸を借りるのが難しい理由、よく発生するトラブル、その対策について詳しく解説します。

外国人が賃貸を借りるのが難しい理由とは?

ここでは、外国人が賃貸物件を借りるのが難しい5つの理由について紹介します。

1.日本語での意思疎通が難しい

日本語での意思疎通が充分にできない外国人は、日本人オーナーにとって不安材料となり、物件を契約するのは難しいと判断されてしまいます。

外国人の多くは日本の賃貸事情の知識などがないため、日本人よりも詳しく説明する必要があります。日本語での説明が必要な時に相手が理解できないとなると、スムーズに契約が進まず、誤解が生まれる場合もあります。

コミュニケーションが上手く取れないと、今後トラブルが発生した時や緊急時に対処できないのではと、オーナーが不安に感じるでしょう。

また、不動産会社に必ずしも外国語が堪能なスタッフが常駐しているとは限らず、トラブル回避のため、外国人との契約を初めから拒否するところも多いのが実情です。

2.連帯保証人となる人が見つかりにくい

日本特有の賃貸契約制度のひとつに、保証人制度があります。

日本に家族や身寄りがない外国人にとっては、連帯保証人を見つけるのは非常にハードルが高く、仕事や留学など単身で来日する外国人は他の審査基準をクリアしても、連帯保証人が見つからずに契約できないというケースも多々あります。

3.マナーや文化の違い

マナーや文化の違いから、入居後に発生し得るトラブルのリスクを回避するために外国人入居者を断る管理者もいます。

日本の文化に馴染みがない外国人は、自国での生活習慣がトラブルに繋がると気がつかないケースが多いです。

海外では許されることでも、日本では迷惑行為になって苦情がきてしまうことも。

日本のマナーやモラルに対する理解がないと、トラブルが起こるかもしれないと判断されるため、賃貸契約が難しくなることもあります。

4.支払い能力の証明がしにくい

賃貸をする際は、入居者の家賃の支払いが出来るか確認するために、年収や勤め先の情報を提供するなどして、支払い能力の証明をする必要があります。

雇用契約書や給与明細書がない、まだ職についていない外国人の場合、賃貸物件を見つけるのが困難です。

家賃の支払い能力があるという保証がないと信用を得ることが難しく、契約ができないケースがあります。

5.緊急事や帰国時の対応が取りにくい

外国人が退去手続きなどをせずに、家賃滞納したまま帰国するケースもあります。

また、契約中に入居者が一時帰国し物件が長期間空き家となる場合、その間の家賃支払いや防犯対策などの対応が必要となります。

こういった外国人入居者ならではの事情やトラブルが想定できるので、日本人の入居者よりも外国人入居者は避けられる傾向にあります。

外国人が賃貸契約で入居審査を通過するためのポイント

前章で紹介したとおり、外国人は賃貸契約においてさまざまな障害があるため、ハードルが高いといえます。
しかし、事前に入居審査を通過するためのポイントを押さえておくことで、審査をクリアできる可能性が高まります。

意思疎通できる日本語力

外国人でも日本語でのコミュニケーションが取れれば、日本人管理者の不安を軽減できます。

日常会話程度の日本語力と、基本的な賃貸に関する用語などを知っておくと、通過のチャンスが高まるでしょう。

管理会社は入居者とスムーズな意思疎通が取れるとわかれば、緊急時やトラブル時に適切な処置や管理がしやすいと判断し、審査を通過する可能性があります。

連帯保証人が必要ない物件を探す

連帯保証人を見つけるのが難しい外国人は、初めから連帯保証人必須の物件を避けるのがおすすめです。外国人OK・連帯保証人不要の物件も、探してみると意外にも多く見つかります。

どうしても契約したい物件が連帯保証人を求められる場合、家賃保証会社などを使って契約する方法もあります。

日本のマナーや文化を学ぶ

茶道を嗜む女性2人

日本の生活習慣や文化に理解がある外国人なら、安心して物件を貸せると判断しやすくなります。

外国人と聞くと、靴を履いたまま家を上がる、ゴミの分別をしない、ホームパーティーで大騒ぎするなどの文化を連想されるため、たとえ海外では許されることでも、日本では迷惑行為になるということについて理解を示すと安心してもらいやすくなります。

契約前に知っておきたい日本の賃貸契約制度

日本の賃貸契約制度には、他の国ではあまり見られない特有のものがあります。

賃貸制度の基本的な知識・用語について解説します。

礼金・敷金

日本特有の賃貸物件契約には、多くの場合「礼金」および「敷金」の制度があります。

「礼金」は、賃貸借契約時に大家に支払うお礼のことで、100%大家の利益となるお金です。

「敷金」は、大家に予め預けるお金で、部屋を借りている時や退去時に必要な資金として使われるお金です。

家賃が滞納したり、修理が必要になった場合に備える保険金のような役割を担っています。

退去までにそういった費用が発生しなかった場合は、敷金の一部、または全額が退去時に返還されます。

更新料

「更新料」は、契約更新時の手続きに必要な手数料のことです。

賃貸契約の期間終了後に、引き続き賃貸を借りる場合、入居者は大家さんに更新料を支払う必要があります。

更新料は礼金の意味合いと似ていて、金額は返ってきません。

賃貸借契約は大体2年ごとに更新され、更新料の相場は家賃の1〜2ヶ月です。

地域や物件のタイプによって金額は異なり、中には更新料がかからない物件もあります。

基本は一人暮らし

日本では一人暮らし用の物件が多く、ルームシェアやシェアハウスが海外に比べるとあまり普及していません。

一人暮らし専用の物件を無断で他の誰かとシェアすることは契約違反です。

基本的に賃貸借契約書には、「住居の転貸を禁止する」と記載されていて、民法612条においても、「賃貸借契約において借主の無断転貸・譲渡を禁止する」と明記されています。

単身者専用の物件は単身で借りるのが、日本における常識です。誰かとルームシェアを考慮している場合は、最初からルームシェアOKの物件を探すと良いでしょう。

外国人入居者のよくあるトラブル

ここでは外国人入居者特有のトラブルを紹介します。

文化や慣習の違いから様々なトラブルが想定されるので、事前によくあるトラブルについて知っておけば、対処法を準備することができます。

騒音

音楽を楽しむ家族

日本人と外国人にとって、「騒音」と感じる音量が異なる場合が多いです。

日本人の国民性として静かな環境を好み、近所の外国人が集まって騒いでいると、大きなストレスになってしまう人もいます。

特に海外では日本よりもホームパーティーの文化が浸透しているので、大人数で集まる際に注意を十分に払わない外国人がいます。

そのためオーナーは外国人に対し、「頻繁に大人数でホームパーティーを開いて、うるさくされるのではないか」と懸念します。

騒音を迷惑行為と自覚していない外国人が多いので、苦情がくるまで気がつかず、入居者同士のトラブルに繋がったり、管理人が今後の外国人入居者の受け入れを拒否する原因にもなります。

ゴミ出し

日本の細かいゴミの分別のルールを知らずに、分別せずにゴミ出しをしてしまったり、ゴミ回収日に適切なゴミの種類を出さないなどのトラブルが発生することがあります。

日本全国で統一のルールがなく、自治体によって異なるので、ゴミの分別の間違いは、日本人でも起こり得るトラブルです。

外国人にとっては更にハードルが高いので、ゴミ出しのルール違反が数多く報告されています。

家賃の支払い遅延

文化の違いからか、日本人に比べて家賃の支払い期限に対してルーズな外国人もいます。

そして中には、そのまま支払わずに母国へ帰って夜逃げされる問題があります。海外へ帰られると連絡も取れず、オーナーは手の打ちようがありません。

部屋が悲惨な状態で無断退去されれば、オーナーは部屋を修理する費用も負担しなければならなく、場合によっては多額の損失が発生することも考えられます。

残念ながらこれらのトラブルが多いため、外国人入居者に対する信頼度がまだまだ低いのが現状です。

賃貸契約の流れ

日本で賃貸契約をする流れを解説します。

契約の全体的な流れと、必要な書類、証明書類を知っておくとスムーズな契約が行えます。

物件を探す

日本では一般的に不動産会社を通して物件を探します。直接不動産会社の店舗へ行ったり、インターネットで内見の申し込みをするのも良いでしょう。

特に日本語が話せない外国人は、外国人・外国語対応可能な不動産会社にアプローチするのをおすすめします。

大手の不動産会社は扱っている物件の種類や件数も多いため、外国人に合う物件が難なく見つかる可能性が高いです。

入居申し込みを行い、入居審査を受ける

気に入った物件が見つかり物件に空きがあったら、入居の申し込みをします。

個人情報を提供後、入居審査となり、審査は家賃の支払い能力や入居中にトラブルを起こさないかなどの項目がチェックされます。

あらかじめ身分証明の書類やパスポートなどを用意し、就業が決まっている人は就労証明書や年収、勤続年数などが記された書類を、学生は在職証明書を準備しておくと良いでしょう。

審査にかかる日数は3〜10日間前後です。

契約する

無事審査が通れば契約に進みます。契約する際に家賃の支払い方法や契約期間、退去手続き、入居にあたってのルールなどの契約内容が説明され、同意する場合は契約書にサインをします。

入居後のトラブルを防ぐためにも、契約書の内容と事前の説明に違いはないか、改めてきちんと確認しましょう。

物件によって契約時に提出する必要な書類が異なります。基本的に契約に関する手続きは不動産会社が行うので、わからない点があれば教えてくれます。

入居先の部屋で設備に問題などが見つかった場合は、不動産会社に連絡しましょう。

社宅管理代行サービスなら「三優エステート」

先述したとおり、日本人のオーナーが外国人と賃貸契約を結ぶことはさまざまなリスクが伴います。

そこでおすすめしたいのが、社宅管理業務をすべておまかせできる三優エステートの社宅代行サービスです。

三優エステートなら、不動産物件の紹介・ご案内、⼊居者の物件管理サポート、⼊退去の契約およびお支払いまですべて請け負います。

窓口が一本化されることで、企業様は業務タスク・契約のリスク・社宅管理コストの削減を実現させることができます。

まとめ

この記事では、外国人が日本の賃貸を借りるのが困難な理由と、その解決策を紹介しました。

外国人が入居審査を通るにはさまざまな条件が必要ですが、前もって日本の賃貸制度についての知識を得て対策しておくことで、入居審査も通りやすくなります。

とはいえ、外国人には言語や文化などのハードルがあるため、賃貸を借りる側も貸す側も不安や問題がつきものです。

そんなときは、三優エステートの社宅管理代行サービスを活用すれば、オーナー様の負担を減らすことができるので、選択のひとつとして考えてみることをおすすめします。

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