社宅のメリット・デメリットを徹底解説
働き方改革やパンデミックの影響を受け、ますます重要度が高まっている「社宅制度」
この記事では、企業が社宅を導入する目的やメリット・デメリットを詳しく解説します。
社宅制度とは
社宅制度とは
社宅制度とは、従業員に対して企業が住宅を貸与する制度のことを指します。
大きく分けると「社有社宅型」と「借り上げ社宅型」の2種類があります。
企業が所有している物件を従業員に貸与するのが「社有社宅」で、企業名義で契約した物件を従業員に貸与するのが「借り上げ社宅」です。
いずれも一般的な賃貸物件と比べて家賃が安くなることが特徴です。福利厚生の一環として多くの企業が採用しています。
社宅制度を導入する目的
企業が社宅制度を導入する目的は、主に下記のようなものがあります。
- 福利厚生の充実
- 従業員の健康維持
- 採用活動の活性化
- 離職率の低下
それぞれ見ていきましょう。
福利厚生の充実
企業が社宅制度を導入する主な目的は、福利厚生の充実のためです。
社宅制度の導入により、従業員自らが部屋を探して借りるよりも安い賃料で住まいを確保できます。また近年はテレワークの普及により、働く場所としての機能も期待されています。
生活や仕事に直結する住まいの満足度が高ければ、従業員満足度にもよい影響をもたらすでしょう。
従業員の健康維持
社宅は会社の近くに設けられることが多いため、通勤の利便性がよくなります。
通勤時間が短縮されることで、通勤のストレスを軽減できるほか、睡眠やプライベートの時間を多く確保できるため、従業員の健康維持に役立ちます。
採用活動の活性化
採用活動の活性化も企業が社宅制度を導入する目的のひとつです。
社宅を設けることで、遠方からの応募者でも住居を確保できるため、採用の幅が広がります。また福利厚生のひとつとしてアピールできるので、採用競争力の向上にもつながります。
離職率の低下
従業員の離職率の低下を目的に社宅制度が導入されることもあります。
住居を探す手間や家賃負担の軽減などにより快適な生活環境を提供することで、従業員のモチベーションや定着率の向上を期待できます。
なお、社宅を準備するステップなど基礎知識に関してはこちらの記事も参考にしてみてください。
参考記事:「社宅」とは?社宅制度の基礎知識・企業が導入する目的を詳しく解説
社宅のメリットとデメリット
社宅の効果を最大限に発揮させるためには、メリット・デメリットの両方をしっかり把握しておく必要があります。
ここからは、従業員側と会社側に分けてそれぞれのメリット・デメリットを解説します。
従業員にとってのメリット
家賃負担が軽くなる
従業員側の最大のメリットは、何といっても家賃負担が軽くなることです。社宅の場合、個人で契約するよりも低い賃料が設定されることがほとんどです。
敷金や礼金、更新料も基本的に会社が支払うため、家賃以外にかかる費用の負担も軽くなります。また社宅の家賃は給与から天引きされるため、所得額が減ることで節税にもつながります。
入社や転勤時の負担が軽減される
入社や転勤時などの負担が軽減されるのもメリットです。
地方から東京、東京から地方といった長距離移動を伴うケースではとくに負担が大きくなります。役員クラスであれば一時的なホテル住まいが可能かもしれませんが、平社員の場合はそういうわけにはいきません。
限られた時間で適切な物件を見つけて家具家電などを手配して住める状態にする、という作業は大きな負担になるものです。
社宅制度が整っていれば、そういった作業が不要になるため、従業員側の負担が大幅に軽減できます。
社員同士のつながりができる
社宅では社員同士が同じ建物や近くに住むことになるため、日常的に交流を深め、信頼関係を築くことに役立ちます。同じような環境に身を置くことで共通の話題ができて、自然とコミュニケーションが増えるでしょう。
このように社宅は、社員同士のつながりを強める場所としても機能し、職場内でのチームワークや業務効率にもよい影響を与えます。
従業員にとってのデメリット
好みの物件や場所を自由に選べないことがある
社有社宅や借り上げ社宅の場合、会社が用意した物件を借りることになるため、従業員の好みに合うとは限りません。住みたい場所や好みの間取りなど、自由に選択できない可能性がある点は従業員にとってデメリットといえます。
また社員同士が近くに住むことになるため、オンオフが切り替えにくいと感じる人もいるでしょう。
社会保障額が減る可能性がある
社宅制度により社会保障が減る可能性があるのも、従業員側のデメリットです。
社宅の家賃は給与から天引きされるため、所得額が減って節税につながる一方、その分、社会保障額が減る可能性があります。
所得額が減ることで社会保険料の負担額が少なくなるため、失業手当や将来受け取る年金などに影響します。
企業にとってのメリット
従業員の満足度が向上する
社宅を提供することにより、従業員満足度の向上が期待できます。
社宅制度は、住居にかかわる従業員の負担を軽減する効果があり、実質的な待遇の改善といえます。職場に近い場所に社宅を設けたり、設備を充実させたりすることで、従業員のモチベーションの向上にも効果的です。
採用時にもアピールができる
社宅制度がある会社への入社を希望する新卒者・転職希望者は多いため、採用時の大きなアピールポイントになります。
とくに地元(親元)を離れて就職する新社会人のケースでは、社宅があることを親御さんが喜ぶ場合が多いです。福利厚生の充実度をアピールできれば、求職者が集まりやすいため、よりよい人材の確保につながるでしょう。
経費を削減できる
社宅制度は節税につながるため、経費削減にも効果的です。
住まいに関する福利厚生として「住宅手当」があります。住宅手当は、従業員の給与に上乗せされて支給されるため、所得とみなされ、企業が負担する社会保険料も増加します。
一方、社宅制度は給与から家賃を天引きするため、所得は上がらず社会保険料の増加もありません。また企業が負担した家賃は経費として計上できます。
企業にとってのデメリット
社宅制度関連の煩雑な業務が発生する
社宅制度を導入するには、物件探しや契約、支払手続きなどをすべて企業が行わなくてはなりません。借り上げ社宅の場合は物件ごとに契約手続きが必要ですし、社有社宅の場合は建物の維持管理業務も発生します。
社宅関連の業務は、人事や総務部などが兼任している場合が多く、繁忙期には従業員の負担が大きくなりがちです。
借りている部屋が空きになっても家賃が発生する
従業員が退去しても、すぐ次の従業員が入居するとは限りません。
借り上げ社宅の場合、空室となった場合でも家賃がかかるため、無駄なコストが発生してしまうことがあります。契約期間の途中で解約すると違約金がかかることも少なくありません。
空室が増えるとその分会社の負担が大きくなるため、空室にならない管理が大切です。
物件の管理コストが必要になる
社有社宅の場合、管理費や建物維持費、固定資産税などが会社負担になります。
社宅の老朽化が進み大規模修繕が必要になった場合は、大きな負担となってのしかかります。大規模修繕は定期的に行う必要があるため、企業側はそれを見据えた資金計画を立てておかなければなりません。
社宅制度関連の業務を一任できるサービスを利用しよう
社宅管理業務は、物件探しから⼊退居の契約手続きや管理業務など、煩雑で多岐に渡ります。また専⾨的な知識を必要とするため、慣れない担当者の負担は大きくなりがちです。
社宅数に比例して業務が増えるため、本来の業務にも支障をきたしかねません。
そうしたお悩みを解決するのが「三優エステート」です。
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一般的な社宅制度のデメリットとして、物件や場所を選べない点が挙げられますが、「三優エステート」では「いかに社員のモチベーションを高められるか」「生産性を高められるか」まで考え、企業様に寄り添った提案をいたします。
出向や単身赴任といった⼀時的に必要となる社宅にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
この記事では、社宅制度の導入目的やメリット・デメリットを詳しく解説しました。
どんなに仕事が忙しくても、むしろ仕事が忙しいからこそ、休息の場となる住まいは非常に重要です。休日ともなれば丸一日過ごす場所の満足度が高ければ、仕事にもよい影響をもたらし、生産性やワークエンゲージメントも自然と上がるでしょう。
「三優エステート」は、単なる社宅管理コストの削減だけでなく、社員の内面的な部分、つまり「いかに社員の住まいの満足度を上げられるか」も重要だと考えています。
住まいの満足度の向上は、離職率の低下という二次的なメリットにもつながるため、実は人事戦略としても重要な役割を担っているのです。
「社宅制度を検討しているけれど、何から始めればよいかわからない…」という場合は「三優エステート」に相談してみてはいかがでしょうか。